サンダーバードで
前日入りして
4000円の鬼のように安い宿に前泊した
兼六園までは2キロの距離だ
金沢マラソンの参加は2回目だ
多分2016年だったと思う
市内を周回するコースなのだが
20キロまでは良い
市内の兼六園
要は城の山に向かって周りをまわるのである程度アップダウンではあるが
そんなに上っている気がしない
ともすればすぐに下り始めるのでトンネル区間など気持ちよく通過できたイメージだ
だが問題は25キロ以降の市内から外れた地点
海に向かってゆく箇所である
私は30キロ手前で前回風に阻まれて進めなくなった
チビ
というか体重が軽い人間は強風に対して不利である
風圧計算でダメージが大きい
前回この30キロ地点で
まさかの西練1・2のチビ
私とミナミバタくんというコンビで到達してしまった
自然二人とも風に吹っ飛ばされて
ちっさいものクラブミニモニは後方へ投げ飛ばされ㌔4以下になった
この時のことが怖い
そして何よりも私は故障を抱えたまま無理やり参加している
無理は禁物であり、危険を感じたら当然棄権すべきだ
頭ではわかっているが、馬鹿なのでわからない
さて
ともかくスタート地点に整列した
スタート地点は2時間30分ぎりの人なので知り合いが多かった
Bブロックなのに間違えてCに入ろうとしてたら
これまた同年代で故障中のギョウバくんがいて、そっちじゃないよ
と一緒に整列しに行った
彼は取材としてこのレースに望むらしい
短パンにTシャツに片手にデジカメを持った
サブスリーやっとです!!って言われても
たぶん彼が20分を何度も切るような猛者だと知らなかったら
そうですかとしか思わないだろう
それでも参加している
仕事も含まれるのかもしれない
羨ましい仕事だが大変だ
私はどうしようか?
何かに逃げて
何かに憑いてきて
今ここにいるが何を目指すべきだろうか?
よくわからなかった
これまた故障明けのヤジマさんがいて
3年?以上ぶりの再会がうれしかった
彼もまたコロナのせいで貴重な40代なりたての時間を
びわ湖や福岡国際や遠征ができないという仕事の縛りに苦しめられてきた
コロナはこれらから何かを奪った
それは間違いなく時間だった
だが、同じ時間をまた共有することが今日はできる
俺にはそれだけでもいいような気がしてきた
努力しても
全力で大会に望んでも
誰かとそれを分かち合えないのだったらそれは無価値だった
私はこの二人と何度も福岡国際やびわ湖で分かち合ってきた
今日も俺は分かち合えるようだ
それだけでスタート20分前で涙が出そうだった
後ろを見た
ディアーズの大阪の連中が私に手を振っていた
彼等には大概一緒に遊んでもらってきた
今日は彼らと一緒に走りたいと思った
大体ペースは3分30くらいだろう
今日は仲間と走りに来た
自分の中の誰かに俺は呟いた
10月31日8時35分
金沢マラソンはスタートした
レース編に続く
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